硫酸アルマイト(硫酸法陽極酸化皮膜)


硫酸アルマイトは最もポピュラーなアルマイトで、アルミニウムを硫酸水溶液中で陽極酸化することにより得られる皮膜です。
技術的に容易で、小規模設備でも特に品質管理をしなくても、それなりの仕上がりが得られる硫酸アルマイトですが、安定した製品を供給するためには、当然、品質管理は欠かせません。
当社なら安心です。 確実な液管理・温度管理とノウハウにより、安定した製品を供給します。
また、処理液の建浴時は純水(脱イオン水)を使用しており、水洗水にも逆浸透法により塩分を排除したRO水を使用しています。
当社は、専業メーカー最大級の処理ラインを有し、大型部品の対応が可能です。

また、封孔処理も、酢酸ニッケル封孔の他、重クロム酸封孔、蒸気封孔、熱湯封孔、低温封孔などが選択可能で、製品の使用用途に合わせて、選択できます。
※上記以外の封孔処理にも対応致します。 当社、営業課員にご相談下さい。

MIL-A-8625 TypeU Class 1 (非染色) Class 2 (染色) (*)
SAE-AMS 2471 、SAE-AMS 2472 他、各種航空規格適合
(*)最新版は、 F Amendment 1


孔壁厚さ=16nm
孔径   =12nm
バリアー層=20nm


◎外観
 展伸材及びAC7A材鋳物の場合は、透明な皮膜の生成により、金属的なアルミニウムの質感を生かすことが出来ます。
 ※合金の種類、皮膜の厚さにより、自然発色が見られる場合があります。
 AC7Aを除く鋳物の場合、灰色〜黒灰色の仕上がりとなります。(薄膜仕様の場合を除く)

◎染色性
 クリアーな皮膜と吸着性の良さを生かして、カラフルな染色が可能。



◎耐食性
 最大30μmまでの皮膜生成が可能ですが、耐食性に最適な皮膜厚さは、15μm又は20μmです。
 標準皮膜厚さ10μmで塩水噴霧試験 336時間を保証します。
 屋内での一般的な使用環境では、6μmでも実用上、問題はありません。

◎製品の保護
 一般的な使用用途で、傷や磨耗、腐食から製品を保護できます。 
 過酷な環境下での使用に付いては、硬質アルマイトや蓚酸アルマイトの採用をご検討下さい。

◎品質保証
 標準皮膜厚さ(指定の無い場合) 10μm以上 染色の場合には、15〜30μm
 JIS H8601:2000では、AA5,6,10,15,20,25(数値は平均皮膜厚さXXμm以上)の規定があります。
 耐食性  塩水噴霧試験 336時間(MIL-A-8625)
 
JIS H8601:2000の要求性能表(試験が必要な場合には外部委託試験費用が発生する場合があります。)

皮膜厚さ等級 アルカリ耐食性 キャス試験 砂落とし
摩耗試験
噴射摩耗試験 往復運動
平面摩耗試験
AA6 30以上 8 150以上 - 30以上
AA10 50以上 16 500以上 24以上 30以上
AA15 75以上 32 750以上 36以上 30以上
AA20 100以上 56 1000以上 48以上 30以上
AA25 125以上 72 1250以上 60以上 30以上


(参考:MIL-A-8625F AMENDMENT1 (ANODIC COATING FOR ALIMINUM AND ALUMINUM ALLOYS)
 TYPE U 要求性能)
1.皮膜質量: 1000mg/ft2(=107.5mg/dm2=1.075mg/m2)以上(Unsealed)
2.耐食性: 塩水噴霧試験336時間

◎理論上は皮膜厚さの1/2の寸法増加がありますが、前処理での寸法減量があるため、10μm皮膜では寸法変化量はほとんど無視できる程度です。 但し、再処理した場合、径で0.03mm程度の寸法減少があります。 再処理で寸法が規格外になると予想される場合は、事前にご連絡下さい。
 寸法変化量は材質、膜厚により異なります。 寸法公差が厳しい場合には、事前に寸法変化量を確認下さい。 超精密部品にも対応致します。
 製品に合わせたプランニングを提供致します。

◎組み立て部品では、製品に電解液が残留し、製品を侵食する可能性があります。
 組み立て前に処理するか、クロム酸アルマイトの採用を検討下さい。
 MIL-A-8625規格では、マスキングを行って電解液が残留する可能性のある部分に処理液が浸入する事を防止する事が記載されています。

◎アルマイトは電気的絶縁性があります。 電気的導通が必要な部分は、マスキングする必要があります。

JIS H8601では、屋外設置部材等はAA15以上とされています。 
AA15以上では、皮膜に微細なひび割れが発生する場合がありますが、これは皮膜欠陥ではありません。

指定が無い場合には、封孔は酢酸ニッケルとなります。
重クロム酸封孔を選択した場合、黄〜緑の発色が生じます。(色は保証対象外)

皮膜からは僅かに硫酸根の溶出があります。
酢酸ニッケル封孔は微量のNi(Coを含有する場合もあります)、重クロム酸封孔はCr(Y)、低温封孔はNi、Co、Fを皮膜中に含有します。




理研アルマイト工業株式会社