硬質アルマイト(硬質陽極酸化処理、HARD ANODIZE)



宇宙航空、産業機械などに幅広く用いられている、理研アルマイトの硬質アルマイト技術
安心と耐久性を提供いたします。


硬質アルマイトは、厚く、硬い皮膜です。
日本工業規格JIS H 8603 「アルミニウム及びアルミニウム合金の工業用硬質陽極酸化皮膜」では、「低温の電解浴又は各種の有機酸を添加した特殊な電解浴を用いて処理されたアルミニウム材の陽極酸化皮膜。通常の方法で処理された皮膜に比べて硬く、かつ、耐磨耗性に優れることを特徴とする。」と定義しています。
当社は、確立した技術とノウハウにより、硬質クローム鍍金に匹敵する耐磨耗性を誇る、優良な硬質アルマイトを提供します。



 特 徴

◎耐磨耗性 
 特に摺動磨耗に優れ、耐かじり性も良好です。

◎厚い    
 通常の皮膜に比べ厚い皮膜を生成することにより、アルミニウムの柔らかさをカバーし、製品の強度が向上します。30〜50μmの厚さで、最もその特性を発揮します。

◎硬度    
 JIS−H−8603規格(下表)よりもHv値で50前後高い硬度が得られます。 また、特にご希望のある場合及び合金によっては、100以上高い値が得られる場合もあります。
※下表以外の規格値を製品に適用する場合は、打ち合わせ及び確認試験が必要です。

合金の種類 皮膜硬さ(微小硬さ)
HV(荷重0.490N)
1種(2種を除く展伸材) 400以上
2種(a)2000系展伸材 250以上
2種(b)Mgを2%以上含む
5000系、7000系展伸材
300以上
3種(a)Cu2%未満又は
Si8%未満の鋳物
250以上
3種(b)3種(a)以外の鋳物 当事者間の協定による

◎電気的特性
 硬質アルマイトの比抵抗値は20℃において約4X(10の15乗)Ωcmとの報告があります。
絶縁破壊電圧は非常に高く、25μm皮膜でDC250V、50μm皮膜でDC800〜1000Vに耐えることが出来ます。
その特性は、ヒートシンクなどに絶縁皮膜として採用されています。

 標準性能・品質保証

◎皮膜厚さ
標準皮膜厚さ 50±10μm(0.002インチ)
または当事者間協定による指定膜厚
許容される膜厚公差:指定膜厚±20%
(MIL−A−8625 TypeVによる)

ご要求により、製品毎に検査成績表を提出致します。
製品の形状により、非破壊検査が可能な場合と、破壊検査による断面観察が必要となる場合がございます。 事前に御調整下さいます様、お願いします。

膜厚指示、公差に付いては、上記にこだわらず、設定できます。
指示された寸法公差内に仕上げることも可能です。
詳細は当社営業二課にご相談下さい。

◎耐磨耗性
テーバー磨耗試験(1000回転)
  2000系合金の場合   3.5mg以下
  上記以外の展伸材    1.5mg以下

◎皮膜硬さ
前項の表を御覧下さい。

◎耐食性(封孔処理時)
塩水噴霧試験  336時間


(参考:MIL-A-8625F AMENDMENT1 (ANODIC COATING FOR ALIMINUM AND ALUMINUM ALLOYS)
 TYPE V 要求性能)
1.皮膜厚さ: 指定のない場合、0.002±0.0004inch
2.皮膜質量: 4320mg/0.001inch(of coating)(Unsealed)
3.耐摩耗性: 3.5mg以下/1000回転(銅2%以上含有合金の場合)(Unsealed)
4.耐食性: 要求なし
5.皮膜硬さ: 要求なし

(耐食性試験は、AMS規格で要求されておりますので、弊社では定期管理試験(塩水噴霧試験336時間)を実施しております。
適合規格)
MIL-A-8625 TypeV Class 1及び Class 2 (最新版は、F Amendment 1)
SAE-AMS 2469
その他、航空規格各種実施 


参考規格:JIS H 8603-1999(ISO10074を基に日本で制定)
 封孔処理

皮膜の要求性能が耐磨耗性であるときは、封孔処理は行わないと、各種の規格で明示されています。
耐食性が要求される場合は封孔処理を行いますが、この場合、耐磨耗性は低下しますので、封孔処理を行う場合には、耐摩耗性を要求すべきではないとされております。

ただし、封孔処理を実施していない陽極酸化皮膜は汚染されやすく、外観品質上の問題が発生しますので、一般的用途では、封孔処理を実施したほうが実用的と言えるでしょう。

当社では、酢酸ニッケル封孔、重クロム酸封孔、及び、蒸気封孔などが実施可能です。



 設計情報

◎合金により、加工性と得られる皮膜性能が異なります。
得られる皮膜性能を考慮して、合金を選定する事が必要です。

◎皮膜厚さの約1/2程度の寸法増加があります。
寸法変化量を考慮して、アルマイト前の寸法を設定する必要があります。

◎コーナー部が鋭角であると皮膜に欠陥が生じます。
コーナー部の皮膜の欠落を防止するためには、25μm皮膜の場合は0.2R、50μm皮膜の場合は0.3Rの面取りが必要です。

◎組み立て部品は電解液が残留し、製品が侵食される可能性があります。 組み立てはアルマイト後に実施することをお勧めします。

◎はめあい部分など、寸法公差の厳しい部分については、当社営業課員にご相談下さい。 製品に合わせたプランニングを、提供致します。

また、皮膜が不要な部分はマスキングが可能です。



理研アルマイト工業株式会社